終わらない恋になれ
若狭殿、とは。
俺の従兄にあたり、俺が生まれるまでは王位継承権第一位の位にいて。
そのせいか俺に対する敵対心は並々ならぬものがあり今までに様々な“攻撃”をされていたのだが、ここ数年はそれがぱったりと止んでいたため顔を合わせることもなくなっていた。
それが、今なぜ。
「………面倒だな」
夜食に手をつけながらそう漏らすと、日向ば苦笑いを浮かべて頷く。
「そうは言われましても無碍にも出来ませんからね。…いずれにしてもヴァンパイアの次の王、王子は殿下のみですから。領民もみなそれを願っております」
「それはもちろんだ。…若狭殿のしたことは今でも許されるものではないからな」
―――数十年前のことだ。