終わらない恋になれ
うっすら朧気に記憶に残るのは、常陸じゃない誰かに血を吸われたこと。
その人のそばには常に安芸がいて、二人で私を見ては蔑むような冷たい笑みを見せていたこと。
あとは、常陸が助けて――…
「………!?」
そこで私は我に返り、一瞬のうちに顔を赤く染め上げた。
(あ、わ、私、あんなこと―――!)
あのとき。
常陸に助けてもらったとき、私は思わずそう本音を漏らしていた。
…だからって『会いたかった』だなんて!
「透子様…?」
私の異変に気づいたのか日向さんが私の顔をのぞき込んでそう呼び掛けてきて。
「なんでもないです!あ、そ、そういや常陸は?」