終わらない恋になれ
安芸の正体は私の血を吸ったヴァンパイア―――若狭さんの下にいた白蛇で、今は若狭さん共々牢屋に入れられているらしい。
あとは常陸のお父さん、つまりヴァンパイアの王の裁きを待つほかなく、それまでは牢屋に誰も近づくことが出来ないのだとか。
「………若狭殿は殿下の座を狙っていたのですが、これで完全にその野望も潰えたことでしょう」
「そうなんだ…」
安芸のしたことは許せないけど、少なくても私は友達だと思っていたから。
…だから、複雑だった。
「…透子様?」
しばらく沈黙が続いていて、日向さんが口を開く。
「はい?」
「―――これきり、もう訊ねません。…透子様が望むなら、ヴァンパイアに関する記憶はすべて消すことが出来ます。どうなさりたいですか?」