終わらない恋になれ
そうして簡単に朝ご飯を作り、テーブルに二人分並べる。
ベーコンエッグにサラダ、ご飯と味噌汁というごくありきたりなメニューながら常陸は脇目もふらず口にかき込んでいった。
「ねぇ、…おいしかった?」
食べ終わった常陸にそう訊ねれば、当たり前だといった風にこくりと頷く。
「ふーん、………王子様ならもっと舌が肥えてるんだと思ってた」
何気なくそう言うと常陸は窓の外に視線を送る。
やけにきらめかしい外の風景を眺めながら、テーブルに頬杖をつくと。
「…ひとりで食べる食事ほど不味いものもない」
ぽつりとそうつぶやくのだった。