終わらない恋になれ
13th 立場は違えども
そよそよと吹く涼しい風。
私はひとり、屋敷内の庭に面した廊下の窓を開け放して外をのぞいていた。
―――大学が休みの間、常陸のそばにいることにしたのだ。
常陸がどうしても一緒にいたいとせがまれ、私もそばにいたいと思ったからイエスと答えて。
…しかし、ほんの数ヶ月前までは出会うはずもなかったのに今はこうやって、…こ、恋人同士に、なるなんて。
「…夢みたい」
「何がだ」
ぼんやりしながらそうつぶやくと背後から返事が返ってきて、私が慌てて振り返るとそこにはふんわりと微笑んだ常陸が立っていた。
「もう仕事終わったの?」
私がそう訊ねれば、常陸は首を振って。
「まさか。透子が足りないから少し休憩しに来た。…外行くか?」