終わらない恋になれ
窓から入る風になびく常陸の長い髪が私にも当たってなんだかくすぐったくて、キスの最中にも関わらず閉じていた瞳をうっすら開ければ、常陸の長いまつげが視界に入る。
(…綺麗、だなぁ)
そんなことを考えていると、名残惜しそうに唇が離れていった。その間にも髪はさらさらと揺れていて、私がついその動きに見とれていると、常陸は堪えきれないといった風に吹き出した。
「…さ、行くぞ」
にやにやと楽しそうな様子でそう促す常陸に私は首を傾げたけど彼はそれ以上何も言わない。
「何笑ってんの!?」
「いや、……………透子、可愛いなぁと思って、な」
「―――――!?」
その一言に私が慌てているのを見て、常陸はいっそう笑いながら私の手を取り、屋敷の外に歩き出していった。