終わらない恋になれ
14th ヴァンパイアとヒト
―――長い夏はあっという間に過ぎていったように思う。
「…透子、今日は何時に帰ってくるんだ?」
そう言うのは私のアパートのベッドに寝転がる常陸。
夕方までには帰るよ、と私が告げればとたんに機嫌が悪くなった。
「………透子がいないのはつまらない」
そうつぶやいて常陸愛用のふかふかクッションに顔を埋める彼に、私が苦笑いを浮かべながら頭を撫でると、がばりと顔を上げて私を見上げて。
「じゃあキスしてけ」
そう、ニヤリと笑ったのだ。
「…しょうがないなぁ」
…あのとき。私からキスをされたのがいたくお気に入りになった常陸は、事ある毎にキスをせがむようになった。