終わらない恋になれ
「―――アンタねぇ、か、仮にも私を…よ、嫁にするんだってんなら!だったらまずは、私のことを知ろうとするべきじゃないの…、………!?」
…何言っちゃってんだ、と思ってももう遅い。
常陸も私も無言のまま、ぴちちと鳴く雀の声が窓の外から聞こえるばかり。
無性に恥ずかしくなってきて私が顔を背けると。
「………朝から喧しい女だな」
頭上からそう述べる声にますます顔が赤くなっていく。
「う、うるさい…っ」
嫁に、だなんて。
まさか本気でそうするつもりなんかないはずだ、と思っていたくせにこうやって引き合いに出す自分が恥ずかしい。
…そんなもの、交渉の切り札になるはずがないはずなんだ。