終わらない恋になれ
大学を卒業するまで待つ、って常陸は言ってたけど。
…卒業してからのことなんて教えてもらってないな。
「聞いていいのかな」
雲がゆっくりと空を流れていく中、私の言葉はふんわりて雲に溶けていくようで。
漠然としかわからない私の未来は、雲のように形が固まってはくれない。
―――風が、強く吹いた。
ふと視線を向けると、そこには常陸がいる。
「不安か?」
…私の考えていることなんてお見通しだと言わんばかりにそう訊ねる常陸に、私は曖昧に頷く。
すると常陸は私の手を取り、あっという間に私ごと魔界へ移動していくのだった。