終わらない恋になれ





静まれ。
静まれ、心臓!


深く息を吸い込んで、常陸を見て。


………私には、心残りなんてないから。
なんにもなくて、空っぽだったんだよ。






「…私も、常陸に言ってないこと、ある」


そう切り出した私に、常陸は目を少しだけ細くした。



「私、ひとりだった。………両親は死んでもういない。引き取ってくれたおじさん夫婦も、遺産目当てだって知ってからはもう連絡も取ってない。誰にも心を開けなくて、友達だと思ってた安芸もあんなで。…もう、常陸しか、いないよ」




だから。
ヴァンパイアでもなんでもなるから、常陸のそばにいたいよ。


いさせてよ。





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