終わらない恋になれ





「じゃあ買ってくる。大人しくここにいろよ」


そう言って髪飾りを手に店の奥に消えていく常陸に頷いて答えると、私は店内をもう一度見渡しているうちに、知らず知らずに店の外に出ていた。
といっても店の前にも商品は並んでいて、どれもこれも私の目を引く。




(お金あったらもっと買いたいなぁ…)


魔界のお金なんて持っていない私には気軽にショッピングというわけにもいかない。…何より一人で屋敷の外に出ることもないんだしね。


常陸を待つ間、時折陳列されている商品の一つを手に取り、店の前の鏡で自分に似合うかどうかを確認しながら遊んでいると、背後から女の子たちのにぎやかな声が聞こえて。






「………って、アレ人間じゃない?」


そのうちの一人が言い放ったその言葉に、私の身体は石になったみたいに固まってしまう。





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