終わらない恋になれ
そこにいたのは、周りの人たちよりも一際着飾った、煌びやかな女の人たち。
すると、彼女らのうちの一人が私を指さしながら言葉を続ける。
「お父様が言っていたわ、常陸殿下の奥様になられる方が人間だと。…まさか、あなたがそうなの?」
その言葉に弾かれるように残りの人たちは一斉に私をにらみつけ始めた。
「まぁ、このような人間と結婚などとは殿下もお可哀想に」
「その通りですわ!志摩様のほうがよっぽどお似合いになりますのに」
…そう口々に私の悪口を言い始める中、志摩と呼ばれた女の人が私の前に立ち、品定めするような視線を向ける。
そして、鼻で笑うとクスクスと笑い出した。
「………あなた、自分が殿下にふさわしいとでも思っているの?あんなに美しい男の人はヴァンパイアでも稀。最近はいっそう穏やかになられたと聞きました。…きっとあなたは子を産ませるだけの存在なのだから、身の程をわきまえなさい!」