終わらない恋になれ





…どこから見られてたんだろう。


こんな風に言われて、何も言い返せなかった私を見られたくなかった。
こんな私じゃ、常陸の隣にはいられないんじゃないかって、そればかりが頭の中を巡っていって、身体に力が入らない。


(やだ、やだ…っ!)




悪い想像しかできない。
もし常陸がこの人たちの誰かに心変わりしたら――…






「―――貴様等、…この女に手を出したらどうなるか、わかっていてのことなのだろうな?」




私の心の中を支配する黒い何かをかき消すような、声。


その声に弾かれたように顔を上げると、そこには女の人たちを射殺さんばかりににらみつける常陸がいて。
それに気づいた女の人たちは一斉に姿をくらますのだった。





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