終わらない恋になれ
「だからなんだと言うんだ。それだけの理由で追ってきたのか!?…貴様はずいぶんとお人好しで、馬鹿な人間だな。貴様をあんな風にしか捉えていなかった俺が出ていけば体のいい厄介払いになったのだぞ?」
呼吸を忘れたように一気にまくし立て、常陸は揺らめく瞳で私を射る。
…後悔、してるのかもしれない。
自分の言葉に、私が追ってきたことで余計に。
そう思ったらわずかに残っていた常陸への恐怖心も夜空に吸い込まれていった。
例え彼がヴァンパイアであろうとも少なくとも今は人間と大した変わらないんだから。
「そうされて困るのは常陸のほうなのに、わざと突き放そうとして馬鹿みたい。―――間違ったことをしたら謝ればいい。少なくとも私は、さっき常陸を傷つけたんじゃないかと思ったから探したんだよ。…さっきは、ごめんね」