終わらない恋になれ
「な、な、…何、言って」
私は玄関先で常陸には聞こえないくらいの小さな声でぶつぶつとつぶやいていた。
―――本気で言ってるの!?
ヴァンパイアの常陸が私のことを、め、“娶る”だなんて。
そのことだけが頭の中をぐるぐる巡ってだんだん何も考えられなくなってきた。
壁にもたれ掛かりずるずると崩れ落ちる私に、気がつけば影が差していて。
「俺が冗談でそう言うとでも思ったのか?」
見上げれば呆れたような表情の常陸がいた。
「…い、いや」
「さっきはあぁ言ったが、貴様のような変わった女なら人形にしてしまうのが惜しいと思ったまでだ。…まぁまずは呪いが解けなければならないがな」