終わらない恋になれ





このやりとりから数十分後、テレビにも飽きたらしい常陸は不意に指を鳴らした。
パチンと音が響いた次の瞬間、私の目の前には初めて出会った頃のような小人サイズの常陸が私を見上げていて。



「俺はもう寝るぞ。寝床の用意をしろ」




…そう、魔力は使えないはずなのに体のサイズは自由に変えられるらしい。
二日目の夜、お客さん用の布団なんてないことに気づいた私が冗談で『小さくなれないのか』と訊ねて実験させたところまさかの成功を収め、それ以来小人サイズで眠る常陸のために私が毎晩ベッドを作ってやるのが習慣になっていた。



「はいはい。これでいい?」


「ん、今夜もよい寝心地だ」


そう言ってあっという間に眠る常陸に苦笑して、私もシャワーを浴びに浴室へ向かうのだった。





< 41 / 206 >

この作品をシェア

pagetop