終わらない恋になれ





自分自身の乱れた呼吸音と一緒に、どこからか賑やかな笑い声が聞こえてきた。


図書館は大学の中心部から少し離れた場所にあるから、テスト前でもなければあまり学生は寄りつかない。さっきの笑い声が遠ざかればあとは自然のなす音しか聞こえてこなくて、今の私には心地よかったのに。



「…あの男は透子の恋人なのか?」


そう聞いてくる常陸の声がやけに響いて、私の心はまた落ち着かなくなった。






「………暁は一年のとき授業が同じで、それ以来仲良くしてる、だけ。付き合ってなんかないよ」


ようやく息も整って、そう答えればしゃがむ私に合わせるように常陸もしゃがむ。



「…透子、は」





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