終わらない恋になれ
「透子の、そばは。…居心地がよくて。俺は、置かれている状況を全て忘れてしまいそうになる。………だから、俺以外の男が透子に近づくことなんて、…俺は認めないからな!」
…そう言うなり常陸はベンチの端に座り、そっぽを向いてしまった。
嫉妬心むき出しの言葉に、私の頭はいっそう混乱していく。暴れまくる心臓が疲れて止まってしまうんじゃないか、なんて心配してしまうくらい私の鼓動が速く、なって。
「ひ、たち」
「ここに用事があるんだろう?…俺はここで待ってるから早く行ってこい」
「…うん」
私は、そう返事をするのが精一杯だった。
ぎこちなく立ち上がり、一度も振り返らずに図書館に吸い込まれていく私。その後ろ姿を、私と同じくらい鼓動を速くした常陸が見つめていたなんて、私は知らなかった。