終わらない恋になれ
「―――人間の住処はこんなに狭苦しいのか…」
「学生の一人暮らしには十分なんです!」
自転車をこいで5分ほどで到着した私の部屋を明らかにがっかりした様子で見渡す小人に、私は夜遅い時間にも関わらず声を荒げてしまった。
よくある1Kの学生用アパートの玄関先にたたずむ小人を無視して私は手を洗うため洗面台に向かおうとした、けど。
「俺は腹が減った。…人間風情の食物が口に合うとは思わないがないよりはましだ、用意しろ」
私を見上げ、相変わらず偉そうにそう言う小人に私は無言で洗面台に向かうことにした。
(………さっきからものすごい上から目線で話す小人よね…!)