終わらない恋になれ
―――どうしよう。
さっきの言葉が、嬉しいだなんて。
何回も何回もすり切れるくらい頭の中で再生して、リピートして。
ほんの数分前の出来事だからだ、なんて自分に言い聞かせてもなんだか無駄なような気がした。
「…早く終わらそう」
そうつぶやいた私は目当ての本を数冊手に取る。
そのままカウンターで貸し出しの手続きをとり、急ぎ足で常陸の待つベンチに向かった。
早く会って、いつものように暴君ぶりを発揮してもらって。一刻も早くそんな“いつも”に戻らなきゃ、変に意識してしまって一緒になんかいられない。
…そう思いながら図書館を出た私の視界には、全く予想もしていなかった光景が広がっていた。