終わらない恋になれ
「お名前くらい教えてくださいよ〜」
「ここの学生じゃないですよねぇ?よかったら案内しますよ〜」
―――胸焼けしそうな甘ったるい声の女子に囲まれてものすごく不機嫌な様子の常陸。
だけど女の子たちは全く怯むこともなく常陸の隣に座って腕を組んだり、上目遣いを駆使したりしている。
(…うわ)
どうしよう。
助けたほうがいいんだろうけど、あの手の肉食系に勝てるような気もしない。
図書館の玄関前で立ちすくみながらその様子を眺めていると、常陸とばっちり目があってしまう。
「遅いぞ、この馬鹿が」
次の瞬間、大声で私をにらみながら常陸はそう言ってきて。