終わらない恋になれ





その天気の変化に気づいた次の瞬間には私の脳裏に常陸の姿が浮かぶ。
…アイツ、傘なんて持ってないんじゃない!?


いつから降っている雨なのかわからなかったけど、もし駅前から帰ってくる途中で雨が降ってきたんだとしたら。


そう思ったらいてもたってもいられなくなった私が立ち上がった、そのとき。



「…寒い」


案の定、全身ずぶ濡れになった常陸が身震いしながら玄関のドアを開けているところだった。



「うわ、常陸!とりあえずシャワー浴びておいで!」


部屋の中も少し肌寒い位なんだ、外は雨のせいでもっと寒いだろう。


私がそう言うと、気怠そうに常陸は頷いてふらふらと浴室に歩いていった。





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