終わらない恋になれ
その態度に苛つきながらも遅い夕飯を準備するため私は台所に向かう。
あの小人はというとテーブルの上に座り部屋の中をきょろきょろと見渡していた。
…しかし何者なんだろう。
人間…じゃなさそう、というかあれが人間だとしたら新種になるんじゃないかな。小さいし。
家に入れたことすら後悔し始めながらも小人の分まで多めに溶き卵とわかめに刻みネギを浮かべたうどんを仕上げ、テーブルまで運ぶ。
ちなみに小人の分は麺を短めに切ってやり普段私が使うお椀に入れた。
「ねぇ。食べる前に名前くらい教えなさいよ、小人さん」
興味津々といった様子の小人にそう言うと、小人は仕方がないといった風のため息をつく。
そうして紡がれる言葉に、私は思わず箸を落としてしまいそうになるのだった。