終わらない恋になれ
「俺はヴァンパイア族の王子、名を常陸という。我々ヴァンパイアには生まれながらに伴侶が決められているのだが、…よりによって俺の相手は人間の貴様なのだ」
さらりとそう告げ、いそいそとうどんを食べ始める小人、もとい常陸。
「ヴァンパイア…?って、吸血鬼のことだよね」
私がそう聞くと、常陸は小さく頷いて話を続けた。
「いかにも。まぁ、今の俺は呪いをかけられているために貴様等人間とさして変わらないがな」
「呪い、って…」
「…人間を嫁に迎える上で我に足りないものがある、と長老の婆に言われ、気がついたらこの姿に変えられていた」
そう言うとあっという間にうどんを食べきり、満足そうに息をつく常陸。
彼の様子を見つめたまま、私はしばらく微動だにできなかった。