終わらない恋になれ
そうして、常陸が元のサイズに戻れないまま3日が過ぎようとしていた。
「―――透子、空になってしまった。新しいものを買ってこい」
そう言って小人サイズの常陸は空になった眠気覚まし用のタブレット菓子のケースを何回も叩く。
風邪を引いて以来常陸は偶然私のバッグに入れていたこれを見つけ、暇さえあればその辛みの強い粒を口に含んでいるようになった。
さらに、身体が小さいとはいえ以前よりもずいぶん食が細くなったようで、顔色もそこまでいいとはいえなかったのだ。
「…常陸」
「なんだ?早く行け」
私が呼んでもそう言ってそっぽを向くだけの常陸。
…常陸は、私と目を合わせなくなった。