終わらない恋になれ





いやだ。


そんなこと、許さない。


あの手も。
声も。
ぬくもりも、吐息も。


俺以外に捧げるなんて耐えられない。




―――これが愛だというなら。


俺は愛する女を傷つけた。


その事実がこの感情を認めさせなかった。


だって。


そうしたら俺がいくらあいつを想っても、あいつは俺を愛さない。
愛するはずも、ない。


恐怖を植え付けたヴァンパイアを愛する人間など、いないじゃないか――…






そう思ったら、身体から力が抜けて。
俺はその場に崩れ落ちた。





< 96 / 206 >

この作品をシェア

pagetop