午前0時、夜空の下で
第6話
シャラシャラと、涼やかな音が聞こえる。
全身が、何か柔らかいものに包まれているようだった。
「起きた?ここは大丈夫だから……まだ寝て……」
微睡みの中、澄んだ声に促され、心は再び眠りの海へと沈んでいった。
冷たく冷えたものが額の上に乗せられ、微睡んでいた意識が一気に浮上した。
ぱちりと目を開くと、視界いっぱいに広がるのは――顔。
予想外の近さにぎょっと目を見開いた心に気づき、相手も慌てて顔を上げた。
「ご、ごめん! まさか目ぇ開けるとは思わんかったけん……」
心はゆるゆると首を振り、じっくりと相手に見入る。