午前0時、夜空の下で
「心は見つかったか?」
妃月の言葉に、アルジェンはゴクリと唾を飲み込んだ。
目の前で悠然とソファーに腰を掛けている男は、笑みを浮かべているものの、その瞳は少しも笑ってなどいなかった。
否、彼は確実に怒っている。
向けられる視線の鋭さに、身体の震えが止まらない。
「分かっているとは思うが、今回の件についての責任はすべてお前にある。万が一、見つからなかった場合は……一族全員で責任を取れ」
一族全員で責任を取る――つまりは、死をもって贖う。
心が見つからなければ一族郎党を皆殺しにする、と。
凄絶な笑みを浮かべて王は言い放った。
謝罪の言葉すら、出せない。
今回のことは、確かにアルジェンの責任だった。