午前0時、夜空の下で
妃月は溜息を落として立ち上がると、そのまま立ち去る。

王の姿が完全に見えなくなると、彼らは揃ってぐったりと床に座り込んだ。

「……どうするつもりだ、アルジェン」

壁にもたれて座り込んでいた二人のうちの一人……クロスリードは、眉間にしわを寄せてアルジェンに目を向けた。

「一体、誰が……。……ココロ様がどのようにして城から連れ出されたのか、何か分かりましたか」

隣で同じようにくずおれていたシリアも、アルジェンへと目を向ける。

しかしアルジェンは、そんな二人に目を向けること無く、首を横に振った。

「人間界に残っている魔族たちに連絡を取ってみたが、ココロ様はいらっしゃらなかった。……おそらく、魔界のどこかに必ずいる」
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