午前0時、夜空の下で
問題なのは、王が激怒している点である。
絶大な魔力を有する魔王の機嫌は、時としてこの世の気候をも左右する。
今はまだ天候には特に影響していないようだが、城には負の気が満ち、城で働く者たちは王の怒りに畏怖していた。
王の傍近くで世話をする女官に至っては、体調を崩す者までいる。
「とにかく、この世界にいらっしゃるのは確かだろう。シリア嬢、あなたはご実家に連絡して、ココロ様の行方を占っていただけませんか。あなたのご実家の協力が得られれば確実です。アル、お前は兵士を動かして国内を探してくれ。俺は宰相と協力して政務を進めつつ、他国に探りを入れてみる」
クロスリードの言葉に素早く立ち上がったシリアは、優雅に一礼して踵を返す。
外は既に月が沈み、太陽が昇ろうとしていた。
絶大な魔力を有する魔王の機嫌は、時としてこの世の気候をも左右する。
今はまだ天候には特に影響していないようだが、城には負の気が満ち、城で働く者たちは王の怒りに畏怖していた。
王の傍近くで世話をする女官に至っては、体調を崩す者までいる。
「とにかく、この世界にいらっしゃるのは確かだろう。シリア嬢、あなたはご実家に連絡して、ココロ様の行方を占っていただけませんか。あなたのご実家の協力が得られれば確実です。アル、お前は兵士を動かして国内を探してくれ。俺は宰相と協力して政務を進めつつ、他国に探りを入れてみる」
クロスリードの言葉に素早く立ち上がったシリアは、優雅に一礼して踵を返す。
外は既に月が沈み、太陽が昇ろうとしていた。