午前0時、夜空の下で
妃月が消えた瞬間、ずっしりと手足が重くなった。

忘れていた体の疲れが、急に襲ってきたようだ。

諦めたように苦笑した心は、黙ったままのアッシュに再び頭を下げ、今度こそ森の外へと歩いていった。



鬱蒼とした森に、木々の隙間から光が射し込み始める。

朝が、きた。

「あーっしゅー!! ただいまーっ!」

高らかな声が響き渡り、一人の美女が全力でアッシュに抱きついた。

灰色の毛に顔を埋め、にっこりと微笑む。

アッシュはというと、されるがままになっている。



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