午前0時、夜空の下で
ノーラの言葉に、思わず目を見開いた。

「休みって何!? ……みんな、私のことを待っててくれたから、寝てないんだよね? まさか、その所為で……?」

俯き、ごめんなさいと漏らした心の瞳に、磨きぬかれた靴が映る。

「それは違いますよ、ココ。夜族が出たから、店を開けることができないんです」

優しい声音に、ゆっくりと顔を上げた。

そこに立っていたのは、穏やかな笑みを浮かべたカルヴァローネ伯爵。

「やぞく……?」

頭の中に、昨夜の出来事が蘇る。

一体何が起こったのか、心は未だによくわかっていなかった。
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