午前0時、夜空の下で
釈然としない心の表情に気づいたようで、ミスティアが不安そうに顔を覗き込んできた。

「無理に起こしてごめんな。みんなから無事やったって聞いたんやけど、起きちょん姿を見らんと安心できんかったけん、起こしたんよ」

瞳を潤ませた笑顔を見て、ぼんやりとしていた心もハッと我に返る。

「ミスティアも無事!? ……だ、ね」

二人で顔を見合わせ、ほっと笑って抱き合った。

ふと気づけば、辺りはすっかり明るくなっている。

魔族が眠りにつく時間――朝がやってきたのだ。

爽やかな冷たい朝の空気が、部屋の中に満ちている。

普段なら、とっくに起きているはずの時間だと気づいた。

「私、一晩中寝ちゃったんだ……」

唖然とした表情でそう漏らした心に、ミスティアも苦笑する。

< 184 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop