午前0時、夜空の下で
二人で連れ添って部屋を出ると、辺りはしんと静まり返っていた。

「……?」

もうみんな起き出すはずの時間である。

なのに、この沈黙はなんだろうか。

こっそりミスティアを伺えば、困惑の色を浮かべた瞳とぶつかった。

首を傾げつつ、階段を下りていくと。

「ミスティア!……ココも、目が覚めたのね」

ノーラとばったり鉢合わせしてしまった。

彼女はよかったなどと言いながら、チラチラと視線を揺らす。

「……何かあるの?」

明らかに態度がおかしいノーラに、ミスティアが問い掛ける。

ピクリと肩を跳ねあげたノーラは、ないわよ、と言いつつやはり挙動不振。

そんなノーラの様子を目にした心とミスティアは、チラリと目を見合わせ、

「ごめんっ!!」

一気に脇をすり抜けた。
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