午前0時、夜空の下で
張り付けたような笑みで、サッと部屋に滑り込む。

「ねぇ、」

心も部屋に入り、ミスティアに触れた瞬間。

まるで糸が切れたかのように、その体が崩れ落ちた。

「アタシ、馬鹿みたい」

震える声が、耳に届く。

「今更、気づくなんて」

その一言に、心は息を呑んだ。

「ミスティア、まさか……カルヴァローネ伯爵のこと、」

恐る恐る声をかけた心に、ミスティアは小さく頷く。

「さっき、すごく嫌な気持ちになったんよ。いつも通り笑おうとしたのに、できんかった。レインの、笑顔が……目に焼き付いて離れない」

目を閉じて俯いたまま、ミスティアはぽつりぽつりと呟く。

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