午前0時、夜空の下で
「アシャンたちと、恋愛とかいろいろ語ったことがあんねん。今でも、恋とかよくわからんけどさ、」

そこで、ミスティアは心を見上げて。

「アタシ……レインのことが、好きかもしれん……」

ひどく頼りない声で、そう漏らした。

思わず心は口を開いたが、結局、何も言えずに閉じる。

そろそろ店が開く時間だったが、ミスティアに気遣っているのか、アシャンたちは部屋にやってこない。

微かな物音が、響いてくるだけだった。

しばらく俯いていたミスティアだったが、ふと顔を上げると、おもむろに化粧道具を手に取った。

「アタシ、諦めんけん」

凛とした声が、明るい部屋を貫く。

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