午前0時、夜空の下で
心は驚いて立ち上がると、思わず返事を返す。

すると失礼します、という声とともに二人の少女が姿を現した。

二人は暗い深緑色を基調とした長い衣服に白の前掛けをつけており、使用人のような出で立ちである。

西洋を思わせる彼女たちの出で立ちは、部屋の雰囲気に溶け込んでいた。

「今日から私共がココロ様のお世話をさせていただきます。私のことはメイジーとお呼びください」

はきはきと話し、きっちりと頭を下げたメイジーは、蜜柑色の髪をしたいかにも活発そうな女の子だ。

「シリアです」

淡々たる口調で頭を下げたシリアは、にこりともせずに心を見据える。

顎のラインに沿って切り揃えられた深緑の髪は、凛とした彼女の美しさを引き立てていた。

「それでは早速お支度を」

メイジーはにっこりと笑って、二度ほど手を打ち鳴らす。

その途端、ドレスやら装飾品やらを持った少女たちが入ってきた。
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