午前0時、夜空の下で
目の前にぐったりと転がる浅黒い男を見て、唖然とする心の視界に、影が差した。

「威勢がいいな、嬢ちゃん。怪我はねぇか」

目の前に立ちはだかるのは、背の高い一人の男。

彫りの深い顔が、愉快そうに口元を歪めている。

「ウィーザー!!」

檻の中から、少女が期待に満ちた声を上げた。

あぁ、助かったのか。

そう悟った瞬間、心の意識はふつりと途切れてしまったのだった。










< 243 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop