午前0時、夜空の下で
静かなモノクルの向こうにある瞳が、心を落ち着かせていく。

「……確か、檻の中にいる奴隷の女の子に会って、その子と話してたら見つかっちゃったんだよね? それで……ウィーザー?が助けに、来て……」

ブツブツと記憶の糸を手繰り寄せながら、頭の中を整理していく心。

そんな彼女に、キシナは深々と頭を下げ、謝罪の言葉を口にする。

「……え、何で謝るの?」

突然の謝罪に戸惑う心を見て、キシナは憮然とした。

「守護人なら、あのときお前を助けるべきだったからだ」

本来なら、守護人は保護対象に危険が及んだ場合、己を犠牲にしてでも助けなければならない。

しかし今回、キシナは動くことができなかった。

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