午前0時、夜空の下で
まぁ貴重品は入ってないはずだから、と気を取り直そうとして――……

「……リボン、」

すぅっと顔が青ざめていく。

「ココ?」

ミルフィーユの声に、ハッと我に返った。

「何でもない。……食べよう?」

頭に過る、黒いリボン。

――妃月さまから貰ったものだったのに……。

大切なものだから手放せず、琅にまで持ってきたのだが、それが裏目に出てしまったようだ。

諦める、しかないだろう。

小さく溜息をつき、心は食べることに集中した。

やがて食事を終えたリーダーが周りを見回し、顔を顰めた。

「お前らそろそろやめとけ!! 真夜中から、あんま酒ばっか飲んでんじゃねぇぞ!」

怒鳴るリーダーに、従う者はほとんどいない。

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