午前0時、夜空の下で
「いいじゃねぇか、リーダー。今回はいつもと比べモンにならねぇくらい、仲間を助け出せたんだからよぉ!」

笑いを含んだ野次に、リーダーの纏う空気が変わった。

大きく息をつくと周りを見渡し、静かに話し始める。

「ココみてぇなヤツに会えて、お前らが喜ぶのはわかる。奴隷を奴隷として見ない魔族なんざ、琅じゃ少数派だからな。そりゃ、俺だって嬉しい。……だが、たまたま俺たちの担当区域から今回は死亡者が出なかったが、他の地区からは訃報が腐るほど届いてんだ。……さっきまでそれらを処理してたんだよ」

再び、しんとした空気がその場を満たす。

「忘れんな。反乱を起こすたび、どこかで必ず同志が死んでるんだってことを。一般市民や兵士だって死んでんだ……。俺たちは正義じゃねぇ。人殺しだ。反乱を起こす逆賊だ!」

平等でありたい。

しかし悲願の達成は、多くの犠牲の上に成り立つ。

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