午前0時、夜空の下で
抗争の最中に死んでゆく者、捕まって死罪を言い渡される者、牢獄で息を引き取った者……その数は計り知れない。

「……話しすぎたな。ちょっと頭冷やしてくる」

沈鬱な表情で俯いた面々に気づき、リーダーは気を取り直すように笑った。

そのまま外に出ようとして、思い出したかのようにココを振り返る。

「ココ、黎明館で働いてんなら、尚更お前を反乱に巻き込むわけにはいかねぇ。なるべくミルフィーユと一緒に居ろ。ここでも仕事は多い」

口早にそれだけ言うと、スッと顔を逸らして出て行ってしまった。

「……俺らも、浮かれすぎてたよな。今こうしてるときも、必死に戦ってる仲間がいることを忘れてた。……仕事に戻るか」

一人、また一人と、外に出ていく者たち。

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