午前0時、夜空の下で
頷いたノーラを確認し、ヴェルディは顔を綻ばせる。

「そう……近い将来、私のお義姉様になるのですね。こちらこそよろしくお願いします。琅では慣れないこともあるでしょうから、いつでもお声を掛けてください」

嬉しそうに笑顔を浮かべていた彼女は、やがてミスティアを見つめていた視線を城下へと移し、その瞳に哀しげな色をのせた。

「……羨ましい」

「ウラヤマシイ?」

一瞬何を言われたのかわからないという表情をしたミスティアが、意味を理解した途端あんぐりと口を開く。

「それ、は……どれに対しての言葉ですか?」

恐る恐るノーラが問い掛ければ、無意識だったと言わんばかりにハッと口を噤み、そのまま背を向けてしまった。
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