午前0時、夜空の下で
ノーラは扉を見上げ、じっとそれを睨んだ。

クルシェナも無言で頷き、先程の出来事を反芻する。

そんな中、ただ一人ミスティアだけは、キョトンとした表情で首を傾げていた。

「……アンバー?」

部屋を出る直前、微かに聞こえた囁き。

「? 何よ、ソレ」

零れ落ちた呟きを聞き咎めたノーラたちが、訝しげな視線をミスティアへと寄越す。

「さっき、ヴェルディ様がそう言ったんよ」

小さく、まるで誰かに呼び掛けるかのように。

「何なの……」

ヴェルディの、態度も言葉も最後の呟きもまったく意味がわからず、それぞれが扉の前でしばらく思案に耽っていた。




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