午前0時、夜空の下で
ふわりふわりと魔力の明かりが漂う深夜。
心は屈んでいた身体を起こし、曲がっていた腰を伸ばした。
「んー……疲れたぁ! 腰が痛いぃ」
泣き言を漏らす心の隣でせっせと土を耕していたミルフィーユは、手を動かしながらクスクスと笑う。
「一休みしたら?」
夜は気温が下がるため昼間よりは涼しいものの、初めての農作業で心は全身が重く感じた。
「ミルフィーユは? というか、そんな細腕なのに体力あるね」
先程から休息を取ることもなく、黙々と作業を続ける姿に、心は目を見張るばかりだ。
周りを見渡せば、心より幼い子どもたちでさえ、休みもせず懸命に手を動かしている。
「あんなに小さな身体なのに……」