午前0時、夜空の下で
嫌悪感を隠しもせず吐き出したミルフィーユを、心は黙ったまま眺めていた。
「ねぇ、ココと初めて会ったときのこと、覚えてる? あの時、あたしは売り出されてたの。もしウィーザーが助けてくれなかったらって思うと、危険な鉱山で死ぬまで働かされるか、好色な貴族の夜伽をさせられるか……考えれば考えるほど絶望的な未来しか描けない。魔族の寿命は長いけど、奴隷の命なんて人間と大差ないんだ」
暗い暗い、淀んだ瞳。
日だまりのように温かいミルフィーユ瞳が、底知れない闇に濁ってゆく様子を、心はまざまざと見せつけられていた。
奴隷たちがどれほど明るく振る舞っていようと、その根底には深い影が巣くっているのだ。
「ねぇ、ココと初めて会ったときのこと、覚えてる? あの時、あたしは売り出されてたの。もしウィーザーが助けてくれなかったらって思うと、危険な鉱山で死ぬまで働かされるか、好色な貴族の夜伽をさせられるか……考えれば考えるほど絶望的な未来しか描けない。魔族の寿命は長いけど、奴隷の命なんて人間と大差ないんだ」
暗い暗い、淀んだ瞳。
日だまりのように温かいミルフィーユ瞳が、底知れない闇に濁ってゆく様子を、心はまざまざと見せつけられていた。
奴隷たちがどれほど明るく振る舞っていようと、その根底には深い影が巣くっているのだ。