午前0時、夜空の下で
言うだけ言った彼は、忙しいと言わんばかりにさっさと立ち去ってしまった。
残された美女は、心と目が合うと華やかな笑みを浮かべた。
見れば見るほど綺麗な人である。
ミスティアとは違って、成熟した美しさを醸し出していた。
紺色の髪が、魔力の明かりによって照らし出されている。
おそらく髪の色が黒に近い色であることから、貴族の血を引いていると考えたのだろう。
貴族の中にも明るい髪の魔族は多く存在するが、平民の中で暗い髪をもつ魔族はめったにいない。
だからこそ心も、ミスティアたちと逸れてしまった今でさえ、キシナの協力を求めて目も髪も色を変えているのだ。
ふと、心は瞳を瞬かせた。
なぜか目の前の美女に見覚えがあるような気がしてならない。
――以前どこかで会った……?
残された美女は、心と目が合うと華やかな笑みを浮かべた。
見れば見るほど綺麗な人である。
ミスティアとは違って、成熟した美しさを醸し出していた。
紺色の髪が、魔力の明かりによって照らし出されている。
おそらく髪の色が黒に近い色であることから、貴族の血を引いていると考えたのだろう。
貴族の中にも明るい髪の魔族は多く存在するが、平民の中で暗い髪をもつ魔族はめったにいない。
だからこそ心も、ミスティアたちと逸れてしまった今でさえ、キシナの協力を求めて目も髪も色を変えているのだ。
ふと、心は瞳を瞬かせた。
なぜか目の前の美女に見覚えがあるような気がしてならない。
――以前どこかで会った……?