午前0時、夜空の下で
「今までやったことがないなら、仕方ないよ。……それにしても、ジュリアって何者?」

座り込んでいる心とは対照的に、姿勢よく佇んでいるジュリアは、疲れた様子など一切見られない。

滑らかな白い手足は土で汚れているものの、毅然たるその姿はどこぞの姫かと見紛うほどだ。

すっかり打ち解けた様子でジュリアと言葉を交わすミルフィーユを眺めつつ、心は疲れた身体に鞭を打って立ち上がった。

三人でウィーザーたちが集まる溜まり場へ向かい、扉を開ける。

すでに食事の準備が始められているはずのそこには、リーダーを中心に厳つい男たちが未だ話し合いを進めていた。

目を丸くして立ち止まった心たちに、扉のすぐ脇にいた男が声を掛けた。
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