午前0時、夜空の下で
頷いた男の力に敵うはずもなく、心たちの目の前で無情にも扉が閉められた。

「っ、」

魔力の明かりがふわふわと漂う夜道へと、ミルフィーユが駆け出す。

「ミルフィーユ! 待って!!」

心も慌ててその背を追おうとしたが、ジュリアに腕を掴まれたたらを踏んだ。

「ココ、彼女は私が追い掛けるわ。あなたは彼らと話した方がいい」

ジュリアの言葉に一瞬の迷いを見せるものの、コクリと頷いた。

今、体力を消耗している心がミルフィーユを追い掛けても、追いつけるかどうかはわからないのだ。

ここはジュリアに任せるのが賢明かもしれない。

走り出したジュリアを見送った心は、再び溜まり場の扉を開けた。
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