午前0時、夜空の下で
「――ったく、しょうがねぇな」

彼は乱暴な動作で立ち上がると、ガシガシと頭を掻きながら出て行った。

「よかったなぁココちゃん。リーダー、ミルフィーユが戻ってから話し合いを再開するつもりみたいだよー」

副リーダーの笑みを含んだ声に振り返れば、にっこりと笑った顔が目に入る。

「あいつとは長い付き合いだから、その考えもわかるんだけど。……言葉は少なくても頭の中じゃいろいろ考えてるみたいだし、あんまり追い詰めないでやって。今回はあいつも迷ってたからキミの話に乗ったけど――これっきりだよ」

その瞳がゆっくりと細められ、心を見据える。

笑みを浮かべているはずなのに、瞳は笑っていない。

常磐色の瞳が鋭く心を射抜く。
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